訶梨勒って、何に使うものですか?
2023/12/31
1月のおけいこでは 『訶梨勒(かりろく)』という掛け香(かけこう)のワークがあります。
『訶梨勒(かりろく)』って、聞いたことがない、と言われる方も少なくないです。
実は、日本では室町時代から、中国やインドでは3000年も前から、魔よけや厄除けとして使われていたものなのです。
特徴としては、
・訶子(かし)の実が入っている
・訶子(かし)の実をかたどった香袋
・飾り紐で掛けられる
ということでしょうか。
訶子(かし)というのは、シクンシ科のミロバランの果実です。
アーユルヴェーダにおける3大果実のひとつで、代表的な整腸剤のひとつとして使われています。
漢方薬としても、整腸作用と共に、咳を止めのどの調子を整えるために使用されるとの事です。
正倉院に収められている御物のひとつで、日本に自生していない果実が、室町時代になって、その中身に使われるようになったのには、ワケがあります。
釈迦涅槃図(しゃかねはんず)という、お釈迦様の入滅の様子が描かれた図に、訶梨勒(かりろく)が描かれているのです。
入滅を迎えるお釈迦様の周りを弟子たちが取り囲んでいるのですが、その上の方に、描かれているのがお釈迦様のおかあさま。
摩耶夫人です。
彼女が息子を思って、上から投げた訶子の実を入れた袋は、残念ながら木の枝に引っかかってしまい、届きませんでした。
※余談ですが、お医者様が患者に与えるクスリを『投薬』と表現するのは、ここから来ているということです。
その、木に掛かった訶子の実を入れた袋を模してできたのが、訶梨勒(かりろく)です。
室町時代というのは、貴族が中心だった平安時代から武士の時代への移り行く時代でした。
とはいえ、平安貴族が怖れた怨霊といった目には見えないものへの恐怖も、感情としては引き継がれていたことでしょう。
彼らが日常を過ごす住居は、書院を中心とした武家の住宅様式に変化していきました。
書院づくりでは、それまでの寝殿造りとは違い、間仕切りで区切られた空間に畳を敷き詰めるという住居に変わっていったのです。
後に、奥の物飾りのスペースに作られたのが、床の間。
今の私たちの住居の原型のようなカタチが、整えられつつあった時代です。
そんな住居に、魔よけや厄除けの意味で掛けられたのが、掛け香『訶梨勒(かりろく)』なのです。
彩り香®では、旧暦のお正月に間に合うように、1月のお香ワークにしています。
一年間の無病息災、厄除け祈願の『訶梨勒(かりろく)』つくりを、ご一緒しませんか?
2024年の予定
1月8日(月・祝)13:00~16:00
1月15日(月) 9:30~12:30
1月20日(土) 13:00~16:00
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彩り香
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