王朝時代もピンクは人気
2023/12/17
1月の彩り香®のおけいこ12では、色のテーマはPinkです。
和の色コラム「一斤染(いっこんぞめ)」の際にも触れましたが、平安時代、赤い色を得るための紅花はたいへん貴重でした。
天皇や皇太子など、身分の高い人しか身につけることが許されなかった色は禁色(きんじき)といいました。
それに対して、誰にでも許された色が『許し色(ゆるしいろ)』です。
上司から、褒美などの名目で、濃い色のものが与えられることもありましたが、それを普段、身につけることなどもってのほか。
いただいた、という事実がステータスなのでした。
濃い赤に染めようと思って、液に浸けても、最初は薄いピンクにしか染まりません。
それを、もう一度液につけると、もうちょっとだけ濃いピンクに・・・。
もう一度、さらにもう一度、と何度となく繰り返し、だんだん色が濃くなっていくのです。
時には、苅安(かりやす)や、蘇芳(すおう)で下染めをしてみたり、かさねの色目で、色の変化を楽しんだりしたようです。
そんななかで、人気のあった色が『紅梅色』
梅の花は、奈良時代に大陸からやってきて以来、人気の花でした。
その名残もあって、平安時代の初めの方は、白梅(はくばい)が人気。
けれど、次第に紅梅(こうばい)に人気が集まるようになりました。
その後は、季節的な違いもあって、桜(さくら)も、どんどん人気が上がります。
そんな花への関心が、ピンクの色の種類を増やし、色名が増えていくことになります。
源氏物語の玉鬘の段では、有名な『衣配り』のシーンが出てきます。
ピンクの少し濃い色『今様色(いまよういろ)』は、紫の上に。
淡いピンクの『さくら色』は、明石の姫君に・・・。
紫式部は、作中人物の年齢や雰囲気を表現するのに、着せるものの色の違いを、よく使っています。
王朝時代のトップカラーリストだったといえますね。
そんなピンクも、平安時代と、江戸時代とでは、時代を反映した違いがあります。
おけいこの中の、座学の時間には、その辺りもお楽しみください。
お香のワークでは、訶梨勒(かりろく)を作っていただきます。
訶梨勒(かりろく)については、また機会を改めて・・・。
おけいこ日程は以下の通り。
いずれか1日を選んでご参加ください。
2023年1月
8日(月・祝)・20日(土)13時~16時
15日(月)9時半~12時半
24日(水)10時~13時
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彩り香
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