京都三大祭りのトップ『葵祭(あおいまつり)』中止|葵は逢う日
2022/05/11
葵祭の路頭の儀が、今年も中止。
これで3年連続して、あの王朝絵巻が見られない
コロナ渦の中、蜜を避けるためとはいえ、残念!
あの、源氏物語の中にも描かれているシーンが、目の前を行くのを見ているだけでワクワクします。
時々、メガネをかけた人がいて、ちょっと興ざめなこともあるけど・・・。
葵祭の正式名は、賀茂まつり。
賀茂神社とは、賀茂御祖宮神社(かもみおじんんじゃ)と賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)のことですが、私も含め京都の人は、それぞれ「下鴨さん」「上賀茂さん」と呼んでいます。
この加茂社の神紋が葵で、江戸時代以降、『葵祭』と呼ばれるようになったということです。
平安時代は、「祭」といえばこの「賀茂まつり」を指したとのこと。
紫式部が源氏物語に取り入れたのも、うなずけます。
源氏物語では、六条御息所が、葵祭を見る・・・正確には、これに随行している馬に騎乗した光源氏を見るために出かけたことが、悲劇のはじまりでした。
正妻の葵の上は、懐妊中のしんどさもあって行くつもりのなかった祭り見物でしたが、周りのすすめもあって急に出かけることになりました。
見られる場所は、ほとんど埋め尽くされていましたが、車を引く従者たちが、権威をかさに着て、まわりの車を押しやります。
その中に、お忍びで来ていた六条御息所の車もあったのです。
壊された網代車の中から、御簾ごしに見ていると、光源氏は彼女に気づかないまま、通り過ぎてしまうのでした。彼女のプライドはズタズタ。傷ついた心が闇に取り込まれ、正妻に嫉妬している自分がみじめになるのでした。
後に、生霊となって葵の上の命を奪い、そのおぞましさに自分自身に対しても苦悩する物語のきっかけになったのが、この事件でした。
『嫉妬』という感情が生まれるのは、愛ある故のこと。
「会いたい」という気持ちが募って、行き場を失うのですね。
葵という字は、カナで『あふひ』と書いて、『逢ふ日』の掛け言葉です。
平安時代最高の恋の物語の主人公である光源氏。
その正妻の名前に『葵』が使われていることに、紫式部の思いを見たような気がしています。
彼女にとっての光源氏は、誰だったのでしょうね。
(藤原の道長という説も・・・・。)
真実は、神のみぞ知る、ですね。
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多くの女性にお香で癒しを
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