卯の花色(うのはないろ)
2023/05/31
卯の花とは、ウツギの花の事。ウツギは『空木』と書きます。
枝の内部が空(から)なことから、こう呼ばれたそうです。
これが、卯の花と呼ばれるようになったのは、旧暦の4月、つまり卯月に咲く花だから。
今の暦に直すと、約1か月のズレが生じます。
2023年だと、5月20日~6月17日が卯月です。
♪卯の花 匂う垣根に
ほととぎす 早も来 鳴きて
忍び音ならす 夏は来ぬ♪
なんて、古ーい歌があります。
日本の歌100選にも選ばれているそうですが。
空木というのは、よく生垣に使われるそうです。
というのは、生垣に適した条件を揃えているから。
どういった条件かというと
1つ 葉が密生していて、目隠し効果があるという事。
2つ 密生による蒸れや日陰に強い事
3つ 刈り込みに強い事
それらに加え、初夏に咲く白い花というのが、涼しげで好まれたのでしょうね。
源氏物語にも、『卯の花の垣根』というのが出てきます。
『乙女』第4段で光源氏が、いよいよ念願の六条院を完成させるくだりです。
四季折々の風情が楽しめるように考えられた六条院は、4つの区画に分けられました。
北東は「夏の庭」として、呉竹をたくさん植え、下風の涼しさを演出。
大木の森のような木で日陰を取り
田舎らしい、卯の花で花垣が作ってある
(山里めきて、卯の花の垣根ことさらにしわたして)
かさねの色目でも、『卯の花のかさね』は初夏をあらわします。
ところで、「卯の花」という料理名をご存知でしょうか?
細かく刻んだ具材をおからと和えた料理です。
近ごろは、おからそのものをご存じない方も増えてきたとか。
豆腐を作る際、豆乳を搾った後の大豆の搾りかすです。
だし汁で味が決まるのですが、私は、子どもたちが小さい頃、これをマヨネーズ和えにして、ポテトサラダ風にしていました。
食感は異なりますが、味に馴染みがあるので、結構、喜んで食べてくれました。
よければ、お試しを・・・・。
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