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黄金色(こがねいろ)

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黄金色(こがねいろ)

黄金色(こがねいろ)

2023/11/22

黄金色の輝き、というとキラキラして美しいだけでなく、そこに価値を見いだせるものということが伝わりますね。

『こがねいろ』というのは、そのまま黄金(おうごん)に直結するイメージを広げます。

 

学生の頃に学んだ、万葉集に、山上憶良のこんな歌がありました。

 銀も金も玉も何せむにまされる子宝にしかめやも

(しろかねもこがねもたまも何せんに優れる子宝にしかめやも)

~銀も金も宝石さえも、それより優れている子どもという宝に及ぶまい~

 

『金(こがね)』というものが、比較する対象に出てくるくらい、意外によく知られているものでした。

というのは、日本では、多くの砂金が採れたのです。

錆びることなく、比較的やわらかいので加工がしやすいという利点を活かし、古くから多くの美術工芸品に使われてきました。

最も大量に使われたのは、奈良の大仏だったかもしれません。

銅を流し込んで出来上がった大仏に、金のメッキが施されたのでした。

使った金は、今の量で375kgとか。

 

きらめく大仏さまは、とてもありがたい存在だったでしょうね。

仏教では、金色を『こんじき』と呼び、最高の存在を象徴する色、とされてきました。

 

また、農耕を主な生業としてきた私たちの先祖は、秋に稲穂が実る様を『黄金色(こがねいろ)』と表現しました。

春に苗を植えてから、暑い夏を経て成長した稲から、多くの米が収穫できる。

 

豊かさの象徴が『黄金色』だったのですね。

江戸時代には、貨幣の金を『山吹色』と称したこともありました。

金の光輝く様子が、より黄色に近い色の表現となったのかもしれません。

けれど、この輝きを庶民が身につけることは、ぜいたくとされました。

 

奢侈禁止令(ぜいたく禁止令)により、金糸を使った着物や小物を禁じられた人々は、明るい茶色を『金茶色』と称し、金色気分を楽しんだのでした。

(彩り香 おけいこ12 「11月 江戸の粋」より) 

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黄金色は、こんな色

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