紅葉色(もみじいろ)
2023/11/17
『紅葉』という字は、「こうよう」「かえで」「もみじ」という3つの読み方があります。
どれも正しい読み方です。
それぞれ、別の漢字が宛てられるときもあります。
こうよう➡黄葉
かえで➡楓
もみじ➡椛
「こうよう」は色づく様を表します。木の種類や、葉っぱのカタチにこだわらず、色に注目した読み方。
「かえで」は、カエデ科カエデ属の植物を指し、そのうちイロハモミジやヤマモミジなど葉っぱが5つに分かれているものを「もみじ」と呼んでいます。
赤く染まる紅葉、黄色く染まる黄葉。
どちらも秋の風物詩。
今回は、赤い色をテーマにしました。
残暑が過ぎて、朝晩の冷え込みが感じられるようになると
急いで冬支度をしなくちゃ!と思うのは、木々も同じ。
季節の移ろいと共に、光のエネルギーが少なくなり、木が葉っぱを維持できなくなってくるのです。
葉っぱが、その生涯を終える前に、最後に華やぐ姿。
赤く色づくのは、アントシアニンという物質が増えるから。
そのとき、元からあったクロロフィルが、分解されずに残っていると、赤と緑が合わさってダークな色合いに・・・。
赤く美しい秋の葉の色合いは、昔から、人々を楽しませました。
古今和歌集に出てくる在原業平の歌は有名ですね。
千早ふる 神代もきかず龍田川、からくれなゐに水くくるとは
(意味)神の時代にも聞いたことがない。
龍田川の水を(紅葉が)あざやかな紅色にくくり染めにするなんて。
※くくり染めとは、、絞り染めの技法の一つ。布の一部をつまんで糸で巻き締め、その部分を白く染め抜くもの。
真っ赤に華やいだ葉っぱが、その生涯を終えハラハラと落ちた後も楽しませてくれるのは、バックの色との対比があるから。
お寺などの石だたみや、庭の苔の緑に映える様が最後の最後まで美しいです。
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