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一斤染(いっこんぞめ)

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一斤染(いっこんぞめ)

一斤染(いっこんぞめ)

2023/10/12

一斤染(いっこんぞめ)とは、絹一疋(いっぴき)を染めるために、紅花を一斤使ったことから、この名になりました。

一斤とか一疋とか、聞きなれない単位ですね。

斤というのは、中国から入ってきた「重さの単位」です。

入ってきた当時は、一斤=600gほどだったとのこと。

今では、一斤という表現は、食パン以外で、あまり使われることはないですね。

 

ちなみに、食パンは340g以上で1斤。

510g以上で、1.5斤と表記してもよいというきまりがあるそうです。

(食パン公正取引委員会)

そして、一疋(いっぴき)とは、和服2着分。

一着分を一反(いったん)と言います。

つまり、紅花が600gで2枚分の着物の生地を染めた、うすいピンクを一斤染と言いました。

紅花のグラデーション

韓紅花(からくれない)に染めるには、これの10倍の紅花が必要だったのです。

もともと、ひとつの紅花から採れる「紅い色」は、わずか。

 

摘んだ花を水にさらして、黄色の色素を流して乾燥させることを繰り返します。

そして、わずかに残った「赤い色素」を』含んだ花だけを、杵でついた後、丸餅の形にして乾燥させたものを、『紅餅(べにもち)』と言います。

この紅餅を灰汁の中に入れてかき混ぜ、衣類を漬け込んで、水にさらす。

今度は、酸性の液(烏梅を入れた液)に入れて、また水にさらす。

こんなことの繰り返しで、ようやく、赤みが重なって染まってくる。

 

手間もかかるし、お金もかかる・・・

平安時代、紅花染めで濃く染めたものは、高い身分の貴族しか身につけることはできなかったのは、致し方のないことだったでしょう。

 

それでも、身につけたい魅惑の色・・・

一斤染くらいなら、まあ、よいでしょう、ということで、この色は『許色(ゆるしいろ)』とされました。

一斤染は、こんな色

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