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紫苑色(しおんいろ)

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紫苑色(しおんいろ)

紫苑色(しおんいろ)

2022/09/30

薄紫のかわいい菊が、身を寄せ合って咲いている紫苑の花。

紫苑は、キク科の多年草で、秋に咲きます。

花言葉は「追憶」「追想」「君を忘れない」

・・・・・思い想われ、恋い焦がれ。

あるいは、そんな風に想っていてほしいという、秘かな願いを込めたものといった、恋の情景を思い浮かべますが、実は、亡くなった母への思いからできた花言葉と言われます。

そういえば、明度を抑えたこのやさしい色合いは、寒色の青みが多いにも関わらず、ぬくもりのある印象を与えるように思います。

そして、『紫苑が咲く頃、米が実る』

なんて言われるように、瑞穂の国の日本では、縁の深い花です。

食べる紫苑・クスリとしての紫苑

余談になりますが、『紫苑』という名のブドウがあるのをご存知でしょうか?

楕円形の大粒大房種で、種がないため食べやすく、実も柔らかいそうです。

比較的、新しい品種で、昨今、冬ブドウとしての人気を集めているとか。

命名の由来は、花の紫苑からきているそうですが、読み方は『しえん』というそうです。

(資料:JA岡山

そして花以外の部分では、根が、昔からクスリとして使われてきました。

紫苑の根っこは、鎮咳,去痰,利尿薬に有効な生薬であり、カラダを穏やかに温める温性の効果があり、今も扶脾生脈湯、外台四物湯、杏蘇散といったものに使われているそうです。

平安貴族にも愛された紫苑色

平安貴族には、秋を表現する「かさねの色目」としても人気があったようです。

『むらさき』という色の仲間として、非常に愛された色でした。

もちろん、濃い紫は身分の高い人しか身につけることが許されないので、それぞれの工夫が必要でした。

かさねの色目にも、いろいろな取り合わせがあったようです。

紫苑の花は、まっすぐ伸びる茎が意外に丈夫で、風に倒れても翌日には立ち直る強さがあるとか。

ここにも平安貴族の好んだワケがあるように思います。

好きだという思いを、やみ雲に相手にぶつけるのではなく、どんな障害があろうとも、胸の奥に燃える火を、消すことなく持ち続けています。

忍ぶ恋・・・・みたいな?

身を悶えさせながら思いが届かず涙する、そんな気持ちを表現するのに、この色はピッタリだったのかもしれませんね。

紫苑色は、こんな色

#968ABD

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