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茜色

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茜色

茜色(あかねいろ)

2022/08/10

茜色(あかねいろ)

あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや君が手を振る

これは、万葉集に出てくる問答歌で額田王の作。

学生時代の歴史や古典の時間に、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

私は、これを初めて聞いた時、イメージした一枚の絵は・・・。

広い野原で一生懸命手を振る彼に、

「わー、人に見られたら恥ずかしい!」

と頬に手を当てて照れる彼女。

バックには、その彼女の頬と同じくらいに赤くなった、空の夕焼け・・・。

後で、「あかねさす」というのは「紫野」に対する枕詞で、色の意味はないと聞き、ちょっとがっかり。

あかねいろ

一日を終えた太陽の置き土産の色

「あかねいろ」というのは、やはり夕焼けを表現するのにふさわしい色です。
少し、黄色みを帯びた、そしてトーンをおとした赤色。
この写真は、2019年1月10日に撮った東の空の色。
空一面がこの色に染まり、今までの人生で最も美しい茜色でした。

茜色は、赤根色

赤い根っこだから、赤根色 

「茜色」の名前の由来は、原料となる植物「あかね草」から。この根を乾燥すると赤い根になることから赤根(あかね)と名づけられたといわれます。
こちらは、染色家の吉岡幸雄先生のワークショップで見せていただいた日本茜。
今では、とても貴重なものになってしまいました。

茜染め

染色家 吉岡幸雄先生の工房で茜染め体験をさせていただきました

これは、先生がお亡くなりになる約半年前、茜染の体験をさせていただいた時のものです。
 「苅安色と茜色、どちらか一つ」ということだったので
 「次の機会に苅安染めをお願いします。」 なんて言ってましたが、叶わぬこととなりました。
 染色して、媒染液に浸し、もう一度、染色して、また媒染液に浸けて・・・をくり返します。
   

赤の色彩心理には、元気の対極にある「疲れ」というものがあります。
それは、「赤」があり過ぎる状態として、交感神経の興奮が続いた後の反動ということです。
けれど、けれどイメージとして捉えると、この夕焼け空が浮かびませんか?

やることがたくさんすぎて、時間に追われ、気がつけばもう夕暮れ時。
日が暮れてしまえば、闇に覆われ、あとは心と体を休める時間。

「一日、おつかれさんでした。」
動と静の間のひと時、一日をねぎらうと共に、明日への活力を与えてくれる色。

それが「茜色」だと思うのです。

茜色はこんな色

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