茜色(あかねいろ)
2022/08/10
茜色(あかねいろ)
あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや君が手を振る
これは、万葉集に出てくる問答歌で額田王の作。
学生時代の歴史や古典の時間に、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
私は、これを初めて聞いた時、イメージした一枚の絵は・・・。
広い野原で一生懸命手を振る彼に、
「わー、人に見られたら恥ずかしい!」
と頬に手を当てて照れる彼女。
バックには、その彼女の頬と同じくらいに赤くなった、空の夕焼け・・・。
後で、「あかねさす」というのは「紫野」に対する枕詞で、色の意味はないと聞き、ちょっとがっかり。
赤の色彩心理には、元気の対極にある「疲れ」というものがあります。
それは、「赤」があり過ぎる状態として、交感神経の興奮が続いた後の反動ということです。
けれど、けれどイメージとして捉えると、この夕焼け空が浮かびませんか?
やることがたくさんすぎて、時間に追われ、気がつけばもう夕暮れ時。
日が暮れてしまえば、闇に覆われ、あとは心と体を休める時間。
「一日、おつかれさんでした。」
動と静の間のひと時、一日をねぎらうと共に、明日への活力を与えてくれる色。
それが「茜色」だと思うのです。
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彩り香
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