青黛(せいたい)
2024/09/06
青黛と書いて、せいたい、と読みます。
『黛』という字だけで『まゆずみ』と読むので、女性には、なじみのある漢字かもしれません。
青黛は、江戸時代の流行色のひとつでした。
何故なら、男性のちょんまげ姿を映えさせる、剃りたての頭頂を表現する色だったからです。
月代(さかやき)といいます。
月代(さかやき)というのは、平安時代からあった習慣です。
というのは、成人した貴族が烏帽子(えぼし)や冠をかぶるときに、前髪が額にかからないように毛を抜いたのが、始まりなのです。
この時代は、寝る時も烏帽子をかぶったままでした。
烏帽子をかぶっていない姿を見られるのは、裸を見られるのと同じくらい恥ずかしいことだったのです。
時代が変われば、常識も変わるってことですね。
鎌倉・室町と続く武士の時代になると、かぶるものは戦闘時の兜(かぶと)に変わります。
この兜が、とっても暑くて、中が蒸れる・・・。
かといって、毛を抜いていたのでは、痛いし時間がかかる。
そこで、剃っちゃえ!と言ったとか、言わなかったとか・・・。
これが、江戸時代になると、戦がなくなり平和な時代へ・・・・・。
すると、武士だけでなく、庶民も、この髪型を取り入れるようになります。
剃りたての青々とした様子が、爽やかで『粋』を求める江戸っ子魂に火をつけたのかもしれません。
この月代の青を表現するのに使われた色が、『青黛』です。
舞台の世界では、今も使われています。
月代を表現するときには、髪の上に『羽二重』という、布で作った帽子のようなものをつけます。
その上に、青黛を塗ってちょん髷を載せるのだそうです。
『和漢三才図会』には、藍の葉から作った沈殿藍に浮いている泡を救い出し、陰干しにしたものだと紹介されています。
藍は、水に溶ける染料として使いますが、青黛(せいたい)は、水にも油にも溶けないので『顔料』として扱われます。
そして、この顔料が、クスリとしても使われているのです。
かなり以前から、『潰瘍性大腸炎』の治療の手法の一つとして、効果があるとされてきました。
ただし、誰にでも効くというのではなく、そのひとの状態によっては悪化することもあるとのことなので、素人で判断することは避けた方がよさそうです。
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