鳩羽色(はとばいろ)
2024/09/12
鳩羽色というのは、その名の通り、ハトの羽の色です。
ハトの羽っていうと、『平和の象徴』なんてイメージから、白いハトを思い浮かべる人も多いかもしれません。
これは、ハトがノアの箱舟伝説の中で重要な役割を果たしていることから、神と人間の和解の象徴とされ、平和を象徴する生き物となった、との説が有力です。
(ノアの箱舟伝説については、コチラ)
そして、白いハトは、見栄えもよく、おとなしい性格から、式典やマジックなどに使われることが多く、近くで目にする機会があるからなのでしょうね。
鳩羽色というのは、実は、灰色がかった青紫です。
ドバトという種類のハトの、首のあたりの紫色の部分の色。
ドバトというのは、紀元前3000年ごろのエジプトで、すでに『伝書鳩』としてのお仕事を担っていたようです。
当時の人たちにとっては、ハトの強い帰巣本能が、とても心強かったでしょうね。
日本にやって来たのは、飛鳥時代と言われています。
天敵は、猛禽類のタカ、ワシ、フクロウ、他にはイタチ、ヘビなど。
むしろ、人に近い所の方が安全だと思っているのか、お寺や公園など、都会に馴染んでいるように見えます。
明治以降、着物の色として流行したとの事ですが、江戸時代にもよく選ばれた色でした。
鉄を媒染に用いて、夜叉附子と蘇芳を使った、鼠色系の色として重宝したようです。
江戸時代は、ぜいたく禁止令もあって、茶色系・鼠色系・藍色系の色が多く生まれた時代。
人々の求める色の一つとして、人気があったというのは、うなづけます。
ただ、平安時代においては『山鳩色(やまばといろ)』というのがあって、これは時の帝しか着ることが許されない『禁色』の一つとされていました。
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