呉須色(ごすいろ)
2024/08/22
呉須(ごす)と聞いても、なかなかピンとこないかも?
だけど、鉢や皿に描かれた柄の色は、目にする機会も多いかと思います。
ヨーロッパで『白い金』とまで呼ばれ、ヨーロッパを代表する磁器マイセンにも、大きな影響を与えた古伊万里も、この呉須色があってこその焼き物です。
呉須は、もともとイスラム地域で採れた岩石から出来た色でした。
それを、中国が輸入して使っていたようです。
ところが、14世紀にはそれが入ってこなくなり、中国は独自に天然呉須を採掘できる鉱山を国内に探して、利用するようになります。
日本には江戸時代初期に『天然呉須』が、中国より有田に、もたされたと考えられています。
以来、有田は、日本の磁器の街として発展していきます。
呉須を使って、白地に青い色の絵や模様が描かれている器を、染付(そめつけ)と呼んでいます。
呉須の主成分は、酸化コバルト。
明治時代になって、有田では、この酸化コバルトを使った科学的な製造方法を得ることができました。
酸化コバルトを主成分として、酸化鉄などを合わせた『合成呉須』は、染付(そめつけ)を広めるのに大いに役立ちました。
今では、比較的安価で手に入るようになった染付ですが、天然呉須を使った古い時代の輸入品を『古染付』と呼んで、区別しています。
日本に、最初に染付が入ってきたのは、平安時代(9世紀)だと言われます。
遣唐使によって、もたらされた『色のついた器』は、平安貴族たちにとっても、とても魅力的だったことでしょう。
その美しい器を、今の私たちは、普段使いに使用できるって、とても贅沢なことですね。
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