蘇比(そひ)
2024/08/15
日本では、かなり古くからこの『赤根』を使って、緋色に染めていたようです。
邪馬台国の卑弥呼が、魏の王に『絳青縑(こうせいけん)』を含む、いくつかの品物を献上したという記述が『魏志倭人伝』に残っているそうです。
「絳」というのは、「あかきねりぎぬ」つまり『茜染の絹布』ということ。
このことから、この時代にはすでに、日本茜を使って緋色に染めるという技法が完成していたと捉えることができます。
緋色というのは、太陽の色(陽の色)ということから、この時代の人にとっても、特別な色だったのでしょうね。
染液につけては、灰汁にくぐらせて色を定着させ、再び染液につける・・・・・
それをくり返して濃い色に仕上げていく過程で得られる色も、捨てがたいものがあったのかもしれません。
そこに『蘇比(そひ)』という色名をつけて、それも愛でていたのではないでしょうか?
夕焼けの色が一色ではなく、そのグラデーションが美しいように、どの色にも美しさがありますね。
そこに色名をつけて愛でる感性というものが、この時代から脈々と受け継がれてきたのかもしれません。
茜染めに使われていた日本茜は、生薬としても利用価値があるのだとか。
茜草根(せんそうこん)といって、止血、解熱、咳止め、強壮、利尿などに効果があるとされ、アルコールにつけて健康酒としても飲む人もいるということです。
9月末頃から、小さな花が咲くらしいのですが、その可憐な花を、見てみたいなあ・・・。
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