天色(あまいろ)
2024/05/09
天色は、晴れた空の色。
『あまいろ』 『あめいろ』と読みます。
晴れた空が、青く見えるのは、光の性質によるものです。
天から降り注ぐ太陽の光は、空気中にただよう小さな障害物に当たって、散乱します。
波長の短いものほど、散乱を繰り返し、その結果として『青』が最も人の目に残りやすいのです。
英語でも、晴れた空を Blue Skyというように、これは世界中で同じ認識です。
ところが、空の色に『天』の字を使うことで、そこには、神のおわすところ、といった意味合いが含まれるように思います。
空色よりも鮮やかで濃い色が『天色』
百人一首に、こんな歌があります。
天つ風(あまつかぜ) 雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ(僧正遍昭)
宮中行事のひとつで、娘たちによって披露される『五節の舞(ごせちのまい)』
彼女たちを天女に例えて、詠んだ歌です。
意味はこんな感じ・・・・・
天女たちが、天に帰ってしまわないように、天への路を閉じておくれ
もうしばらく、この姿を見ていたい
風に、そんなチカラがあると思わせるのは、風も『天気』を左右する要素のひとつだから。
天気、というのは、天の氣。
『氣』というのは、目に見えぬ不思議なチカラと考えられてきました。
雨も嵐も、日照りさえも、自分たちのチカラが及ばない神の領域。
空の色を『空色』ではなく『天色』とあらわすことで、自然に対する畏敬の思いを表現したのではないかと思っています。
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