納戸色(なんどいろ)
2024/02/21
納戸色(なんどいろ)は、緑みの暗い青色です。
色名の由来は、諸説様々。
納戸に出入りした役人の着物の色、だったり、納戸にかかっていた幕の色、だったり・・・。
また、納戸に置かれていた藍染めのものが色褪せた、といった説まで。
納戸色というのは、藍染めの過程で見られる色名です。
濃く深い藍染めが出来上がるまでには、まだいくつかの色名を冠ります。
納戸(なんど)というのは、現在では、さまざまな呼び方をされています。
サービスルーム
DEN
フリースペース
ワークスペース
など、建築基準法で『居室』と認められない部屋ということになります。
居室と認められるには、採光や通風など、一定の条件を満たす必要があります。
なので、配置の上で窓がない、あるいは小さすぎる部屋は、納戸ということになるのです。
平安時代にも、この納戸に匹敵する場所がありました。
『塗籠(ぬりごめ)』といって、四方を土壁で覆われた部屋で、寝室としてつかわれたこともあったようです。
それ以外に、高価な宝物を収納するスペースとしても使われ、納殿(おさめどの)と呼ばれていました。
その名残でしょうか、武士の時代となっても、住居の一角に閉ざされた空間を作り、そこに大切な物を置く習慣は続いたようです。
江戸時代になると、それは『納戸(なんど)』と呼ばれるようになり、モノを収納するという習慣は、次第に庶民にも浸透していきました。
江戸時代は、庶民の時代。
そこから、多くの色名が派生してくるのです。
それだけ、庶民に馴染んだ色と言えるのではないでしょうか?
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