利休鼠(りきゅうねず)
2023/12/04
利休鼠(りきゅうねず)・・・この緑がかったグレーには、利休という名がついていますが、特に千利休が選んだ訳ではありません。
茶道で使うお茶の緑と、侘茶という概念からの抑えたトーンがこの色の名前に相応しいと誰かが考えたのでしょう。
利休茶も同様です。
この時代にも、マーケティングに優れた人物がいて、少し錆びた色合いのものを売る手立てのひとつだったのでしょう。
他に、利休の名がつく色名がいくつか存在しています。(錆利休・利休生壁・利休白茶など)
利休と名がつくことで、人気の高い色になったのでした。
奢侈禁止令(ぜいたく禁止令)が、色に対する意識を高めたといっても過言ではありません。
「鼠」という色を合わせることで、トーンを落とし、『色』を楽しんだ江戸時代の人たち。
桜色は桜鼠(さくらねず)に
空色は空鼠(そらねず)に
きれいな色を渋い色に。
それが、粋(いき)という感覚に結びついていくのです。
グレーッシュな色合いというのは、今でも人気がありますが、なぜ、ネズミ?
それは、この時代、ネズミはペットとして人々に身近な存在だったようです。
浮世絵にも、ネズミが描かれているモノも多くあります。
灰色とねずみ色 どちらも、グレーです。
ネズミは、生きているけれど、灰は、燃えカス。
灰色は、平安時代、鈍色(にびいろ)とも呼ばれました。
源氏物語「玉鬘」の衣くばりのシーンで、出家した朧月夜に選んだという例にもあるように、「灰」には、現世を退くといったイメージがあったのかもしれません。
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