柿色(かきいろ)
2023/10/26
10月26日、今日は『柿の日』(全国果樹研究連合会制定)です。
正岡子規の有名な俳句
柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺
の句は、1895年(明治28年)に彼が松山から東京へ帰る途中に立ち寄った奈良で、詠んだもので、それに因んだとのことです。
この季節に旅行に行くと、行く先々で、初めてお目にかかる柿に出会います。
富有柿や次郎柿など、代表的なモノだけでも23種。
渋柿なども入れると、実に1000以上の種類があるとされています。
柿の歴史は古く、縄文時代や弥生時代の遺跡から、柿のタネの化石も発掘されています。
その後、奈良時代には、ずいぶん、各地に流通していたようです。
ただし、その頃の柿は、渋柿で干し柿にして食べていたようです。
冬場の大事な糖分補給源だったのでしょうね。
今のように、甘く、そのままのフレッシュフルーツとして食べられるようになったのは、鎌倉時代に突然変異があったから。
江戸時代には、その品種も増え、庶民の口にも届いていたことでしょう。
そして、この柿が南蛮貿易を通して日本と交流があったポルトガル人によって、ヨーロッパに渡ります。
その後、アメリカにも、そしてポルトガル領だったブラジルに伝わります。
だから、世界中で『柿』は『カキ』という名前なんです。
イタリアでは『CACHI』
フランスでは『KAKI』
ブラジルでは『CAQUI』
と表記します。
古くから、私たちの生活に根差してきた、柿の色みに関しては、2系統3種類の『柿色』があります。
よく見かける柿の『柿色』
さらに熟した、赤みの濃い『照柿色』
柿渋で染めた『柿渋色』
江戸の『四十八茶百鼠』の代表ともいえる『団十郎茶』も、この『柿色』の仲間です。
秋の終わり、柿の木の枝にわずかに残る実を
「子守り柿」というのだと、教えてくれたのは、亡くなった義父でした。
たくさんの実をありがとう
そして
残りは、辺りの鳥たちに・・・
そんなやさしさが、何年も受け継がれてきたことに、ぬくもりを感じる秋の一日でした。
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