青磁色(せいじいろ)
2023/10/13
『青磁』は、中国で生まれ発展していった磁器です。
青磁釉(せいじゆう)を施した磁器の総称を『青磁』と呼んでいます。
この釉薬に含まれる鉄分の量によって、黄色が勝った緑から、空色まで、発色が大きく変化します。
『青磁』が生まれたのは、殷の時代と言われ、日本では、まだ、縄文時代にあたります。
「碧玉」や「ヒスイ」に近い色ということで、珍重されました。
現在では、骨董品としての価値も高く、2012年に香港のオークションで約23億円という高額な値段で落札されたものもあります。
それだけに、ニセモノが後を絶たないとのこと。
この青磁の中でも、唐の時代に、天子への供物として珍重された越州窯のものを、特に、『秘色(ひそく)』と言いました。
庶民はもちろん、臣下であっても使用を禁止されたといいます。
平安時代の人々にも、その貴重さは、よく理解されていたようです。
源氏物語では、六帖・第七段、『 末 摘 花 』 の一節にこの色が出てきます。
内容は、やぶれた几帳など、裕福とはいえない屋敷の中で、貧しい食事をしている女房たちの使う食器が、秘色・・・
といったもの。
紫式部にとって、この「末摘花」の段は、源氏物語の中のアクセントというか、笑いを取る位置づけ?
末摘花の背景として、『秘色』という色が、身分の高い人が生きていた、かつて裕福であった時代を象徴する色として、扱われています。
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