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弁柄色(べんがらいろ)

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弁柄色(べんがらいろ)

弁柄色(べんがらいろ)

2023/09/19

ベンガラ色は、鉄分を主成分とする天然の鉱石である「赤鉄鉱」から作られる赤褐色の顔料です。

江戸時代に輸入されたこの色が、インドのベンガル地方から届いたものだったことから、ベンガル→ベンガラ→弁柄色と呼ばれるようになりました。

 

古代の日本でも、同じ「赤鉱石」から作られた色がありました。

赭(そほ)と呼ばれました。

縄文土器の色といえば、イメージが湧くのではないでしょうか?

弁柄色は、伝統的な建物の外観デザインが映える色です。

同時に、多くの役割を果たしました。

その一つが、『建物の寿命を延ばす』といったことです。

 

ベンガラ色のような鉄分を含む無機顔料は、酸化や紫外線に対して耐性があるという特徴があります。

外壁に弁柄色を塗ることで、建物の表面を保護し、劣化や腐食から守ります。

 

また、暖色系の色であるため、建物の内部温度を一定に保つのに役立ちます。

寒冷地域では太陽光を吸収し、暖房の効率を向上させ、熱帯地域では過剰な日差しを反射し、冷房の効率を高めます。

数年前に、北欧旅行した際、デンマークでなつかしい風景に出会いました。

ベンガラ色の壁に茅葺き屋根の家。

 

ガイドの人にお聞きすると、やはり、家を護るためにこの色は伝統的に使われている色だという事でした。

 

そして、とても意外に感じた茅葺き屋根。

エコの意識の高いデンマークでは、特に、最近人気があるとの事でした。

 

しかも、おしゃれーー!

 

帰った後、偶然、京都美山の茅葺き職人さんとお話しする機会がありました。

その話をすると、日本に住んでおられるデンマーク人のお家の屋根の手入れに行かれたことがあるとか。

 

へー!

やっぱり、世界は、目に見えないところでも、つながっているんだなーと思った次第です。

弁柄色は、日本を代表するものに使われる『赤』としても有名です。

九谷焼や伊万里焼といった陶磁器、輪島塗や山中塗の漆器などに使われてきたのです。

 

銅山で産出される鉱石に、加熱・粉砕などの工程を経て粉末状の弁柄が出来上がります。

江戸時代、銅山として有名だった岡山県高梁市の吹屋では、今も、弁柄色の美しい街並みが残っています。

弁柄色は、こんな色

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