紺鳶色(こんとびいろ)
2023/06/27
江戸時代、3大花形職業は『大工』『左官』『鳶』でした。
これらの職業は、江戸の街を作り上げた『華の3職』として、江戸庶民からも一目置かれる存在でした。
中でも鳶職は、本来の建築関係の仕事に加え、「火消し」としての役目も負っていました。
この頃の消火活動と言えば、水をかけて消すのではなく
燃えたところを壊して、類焼を防ぐというものでした。
そこで、建物の構造に詳しく、かつ、「鳶口(とびくち)」という道具を使い慣れている彼らが活躍することになったのです。
参考コラム:鳶色(とびいろ)
そして、江戸時代は、贅沢禁止令が出されていたので、派手な色の着物を着ることは皆ガマン。
鳶(とび)たちも、仕事着である半纏(はんてん)の表地は、この紺鳶(こんとび)色。
だけど裏地は見えないし・・・
真っ赤な裏地や派手な柄を隠して着こんで、おしゃれ心を満たしていたようです。
彼らはは、命がけの火消しの仕事が終わった後、半纏を裏返し、派手な裏地をを見せて帰ったと言います。
場の興奮も手伝って、それはそれは、カッコイイ・・・つまり「粋」な姿に見えたことでしょう。
粋(いき)とは、諦めの美学と言われます。
未練を残さず、スパッと切り捨てるカッコよさ!
そこに根付く反骨精神!
く~!カッコイイ!
ということで、「鳶」のついた色名が、他にも生まれます。
どれも、華やかな色ではないからこそ、今に通じる、江戸庶民の「粋(いき)」に通じるおしゃれ感覚が見られます。
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