二藍(ふたあい)
2024/05/23
二藍 (ふたあい)
もともと「藍」は色名ではなく、色、という意味で使われていました。
青も藍 赤も藍
赤と青、この対照的な性格を持つ二つの色を合わせることで、出来上がる紫を楽しんだ平安貴族たちでした
二藍は、この時代の代表的な紫の色名の一つです。
青の要素が濃いものもあれば、赤の要素が強く出ているものもあり、その印象の違いを大事にしました。
だから、「コレが二藍だ」というように中々限定できなくて、結構、文献によって色が違います。
この曖昧さというか、許容範囲の広さが、色の文化を発展させたのでしょうね。
色を身につけて表現している人だけでなく、見る者、受け止める側のセンスも問われた時代です。
二藍は、源氏物語の中で、印象的な使われ方をしています。
光源氏の息子、夕霧が思いを募らせた雲居の雁との仲をようやく認めてもらう機会が訪れました。
内大臣(若き日の頭中将)のところで開催される、藤の宴に招待された夕霧が、父である光源氏の元にやってきた折のことです。
二藍という色は、赤みが強いものでは、軽く見られてしまうので、年齢よりも少し青みの強いものの方が良い、などと親らしい忠告をして、自分の直衣を与えたといったくだりがあります。
二藍という色は、赤みが強いものほど、若い人のもので、青みの強いものになるほど、重みが出てくるんだなあということがわかります。
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