支子色(くちなしいろ)
2023/01/10
支子色(くちなしいろ)
「くちなし」の語源には、諸説あるようです。
一般的には、果実が熟しても裂開しないため、口がない実という意味でこの名前が使われます。
「くちなし」というのは和名で、漢名では「山梔子(さんしし)」ということから、「梔子」と表記されることもあります。
奈良時代から、染色に使われていました。
他の色を染めるための、下染めに使われていたのでした。
これが、独立して使われるようになり、「深支子」「浅支子」「黄支子」と色名がついたのは、平安時代。
クチナシを使って濃く染めると、禁色の「黄丹(おうに)」に似ることから、これらの色下染めに使うことが禁止された時期もありました。
それでも、支子染は、すたれることがなかったのです。
新古今和歌集には、この色を山吹色と重ねて「もの言わぬ色」と表現した歌があります。
「九重にあらで 八重咲く山吹の いはぬ色をば知る人もなし」
この歌から、江戸時代には、洒落っ気のある江戸っ子たちが「不言色」なんていう色名を好んだとか。
クチナシ
↓
口がない
↓
ものを言わない
↓
不言色(いわぬがいろ)
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