浅葱色(あさぎいろ)
2022/07/30
浅葱色(あさぎいろ)
神社にお参りした際に、神職が着ておられるこんな袴を見たことがありませんか?
同じ、神職の装束でも、色によって位が変わるので、全員がこの色を着ておられるわけではありません。
だけど、見かけることが多いのは、3級・4級といった若手の神職さんが身に着けることが多いからです。
この色は『浅葱色(あさぎいろ)』
江戸時代に大流行し、そしてあまりに流行しすぎたために、時代と共に逆に「野暮ったい」なんて言われるようになりました。
実は、これには『藍色』との関係が深いのです。
<藍染め>は、タデ藍を発酵させて作る染色方法です。
江戸時代には、木綿が入ってきてこの栽培が盛んになりました。そして、木綿と藍との相性がとてもよかったのです。
しっかり染めた藍色は、店ののれんや、商家の着衣、武士の裃などあらゆるところで使用され、外国から来た人たちからは、日本を象徴する色に見えたのでした。
江戸時代には、多くの色名が誕生しますが、藍色四十八色というほど、青のバリエーションがありました。
そのほとんどが、藍染めの課程から、色のイメージを広げたものです。
・汚れが身だちにくい
・虫よけ効果がある
などと言ったことから、多くの色が生まれ流行します。そしてその流行は、だんだん江戸より離れたところにまで広がっていくのです。
その結果、田舎から出てくる侍が、精いっぱいのおしゃれのつもりで着物の裏地に、この色を使う人が多くなります。
そこで、人をからかう意味で、野暮ったい人の事を「浅葱裏(あさぎうら)」などと呼んだといいます。
浅葱色の名誉を回復したのは、「新選組の羽織の色」として使われたから。
浅葱色のだんだら模様のこの衣装、時代劇などでもよく使用されますが、実際は、それほど多用された訳でもなさそうです。
初代新選組の組長、芹沢鴨が、歌舞伎『赤穂浪士』が好きで、その衣装を真似て作ろう!と言い出したのがキッカケとか。
今でいう「コスプレ」のような感覚で、「浅葱色のだんだら模様」が決まったようです。
ただ、隊員には不評で、あまり着用されることはなかったそうですが・・・。
最初の神職の方が身に着けておられる「浅葱色」は、発色がよく、どちらかといえばターコイズブルーと表現した方が、ピッタリくるかも?
どうでしょう?
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