芥子色(からしいろ)
2024/08/08
芥子(からし)は、『芥』だけでも「からし」と読みます。
『子』は、タネ。
芥子菜のタネから作る香辛料の色が、『芥子色』です。
『カラシ』とカタカナで書くことが多いので、なんとなく歴史が浅いようなイメージですが、実は、日本に伝来したのは弥生時代。
平安時代の書物『和名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)にも、その名が記載されています。
(『和名類聚抄』は、今の国語辞典や百科事典に相当する辞書)
平安時代は、薬味としてより、芥子菜をおひたしにしたり、煮物や漬物といったカタチで食していたのではないでしょうか?
『和名類聚抄』で紹介されているのは、和カラシで、オリエンタルマスタードともいい、辛みが強いのが特徴です。
今でも、豚の角煮とか、おでん、シューマイ、納豆などによく使いますね。
もうひとつ、欧米で主流となるイエローマスタードというのがあります。
ソース状のマスタードは、アメリカ生まれ、粒マスタードは、フランス生まれと言われます。
これらのカラシには、酢や砂糖、ワインなどが混ぜられ、和カラシに比べてマイルドな味です
イエローマスタードは、洋からしとも呼ばれ、サンドイッチやフランクフルトなど、やはり欧米からやってきた食べ物に合うようです。
日本で、からしを使った郷土料理といえば、熊本の『からしレンコン』
17世紀、カラダの弱かった、豊前小倉城主、細川忠利のために城の賄い方が滋養強壮になるれんこんに工夫を凝らしたのが『からしレンコン』のはじまりです。
れんこんの穴にからし味噌を詰めて、外側を衣をつけて油で揚げたものを切り分けると、細川家の家紋である九曜の紋に似ていたことも、殿様のお気に入りになった理由の一つだとか。
今では、滋養強壮のため、というより嗜好品として、食するようになりました。
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