甚三紅(じんざもみ)
2024/07/26
紅花で染める赤色系統の色は美しく、江戸時代の人々にとっても憧れの色でした。
けれど、希少で貴重なだけに、誰でもが身につけられるものではありませんでした。
しかも、江戸時代は奢侈禁止令といってぜいたくを厳しく取り締まっていたので、ますます簡単に手に入るものではなかったのです。
そんな憧れと悩みを一気に解決するカタチで出されたのが、甚三紅(じんざもみ)という色でした。
京都の紅染屋であった桔梗屋甚三郎(ききょうやじんざぶろう)が、茜を使って染め上げた『赤』が甚三紅(じんざもみ)。
甚三郎の紅、というのが名前の由来です。
甚三紅(じんざもみ)は、美しいだけでなく、安価で手に入ったことから、ぜいたく禁止令の対象にならず、着物の胴裏や八掛などに重宝されたとのことです。
江戸っ子のおしゃれの基本は『粋(いき)』
これ見よがしに見せびらかすのではなく、隠れたところに気を使うもの。
人が気づかぬような、小さなオシャレを見抜くセンスが『通(つう)』とされました。
一見、地味に見える着物の足元にチラリと見える八掛や、脱いで初めて目にすることができる胴裏などに使う甚三紅の赤は、人々のオシャレ心をくすぐるのにピッタリだったことでしょうね。
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