甕覗き(かめのぞき)
2024/07/19
『かめのぞき』って、一度聞いたら忘れられない色名だと思いませんか?
私は初めて聞いた時、なに?それ?て思いました。
『かめのぞき』は、甕覗き、と書きます。
甕(かめ)を覗くんですね。
何の甕を?
答えは、藍染めの甕なんです。
藍染めの原料は、藍の葉を発酵させた『すくも』
「すくも」を甕に入れて、微生物による自然発酵などを利用して、水溶性の染料にします。
これが,いわゆる『藍を建てる』という工程。
この染料液に、しだいに泡(あわ)が浮かぶようになります。
これが『藍の華』と言われるものです。
藍の華が立つというのが、染めてもいいよという合図になります。
ここに、入れた布を取り出し、空気に晒すと、色が出てきます。酸化発色するのです。
2度3度とくり返すことで、だんだん藍色が濃くなってきます。
水で余分な染料を洗い流し、最後に酢酸につけて『色留め』をします。
これを乾かすのも大事な工程。
空気による酸化で、より色が定着するのです。
藍は、時間の経過とともに独特の深みが出てきます。
いわゆる『藍が枯れた』という状態。
多くの時間と手間をかけて出来上がる藍染め。
染め上がるまでの一つひとつに色名がつけられたのは、藍への愛?なんて思っています
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