亜麻色(あまいろ)
2024/06/21
『亜麻色(あまいろ)』というのは、亜麻の繊維の色で、黄色がかった薄い茶色です。
西洋では、若い女性の明るい金髪を表す時に用いられることがあります。
ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』のイメージ挿し絵でも、そのイメージが多いようです。
亜麻(あま)で作った糸や布をリネンと呼んでいます。
古くは、この亜麻の糸をLINEといい、糸からの連想で「線」 「筋」を意味する英単語になったとか。
細くて丈夫な亜麻の糸は、日々の生活に馴染みのあるものだったのでしょうね。
フランス語では「Lin(ラン)」
亜麻布を「linge(ラーンジュ)」といい、装飾下着のランジェリーという言葉の由来となりました。
繊細さだけでなく、帆船の帆やテントの生地として使われていることからも、繊維の強靭さも大きな特徴になっています。
亜麻は、紀元前6000年~5000年から栽培されていて、人類最古の繊維とも言われています。
エジプトのミイラを包んでいたことでも有名ですね。
インドや中国を経て、日本に伝わったのは1690年(元禄3年)でした。
江戸の小石川御薬園で、薬種として使用するために、亜麻の種子(亜麻仁)が輸入され、栽培された記録が残っています。
この時の栽培は定着しなかったようですが、明治初期には、寒冷地に適しているという理由から、北海道での亜麻の栽培が推奨され広まったのでした。
亜麻は、茎から採れる繊維が役立つだけではなく、種子からは亜麻仁油(あまにゆ)が採れます。
亜麻仁油は、αリノレン酸(オメガ3)を多く含み、血管や脳、細胞などの健康維持に役立つ働きを持っているとされています。
さらに、体温を上げる働きがあったり、中性脂肪を低減する効果があったりと、ダイエットに最適と言われる効能があります。
いいことづくめの亜麻仁油ですが、唯一、欠点があるとすれば『酸化しやすい』ということ。
酸化した亜麻仁油は、消化器官や血液の流れに影響を及ぼし、ひどくなると動脈硬化などを引き起こす危険性も。
大昔から、使われてきた亜麻ですが、亜麻色が色名として定着したのは、比較的新しく、明治以降です。
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