柳色(やなぎいろ)
2024/06/06
柳腰といえば、女性の細くしなやかな身体の様子を表す言葉。
柳眉といえば、美人の美しい眉のこと。
柳は、風に揺れる様子が、たおやかで優しい印象が特徴ですね。
平安時代にも、『かさねの色目』には、春を表現する色合いとして用いられました。
清少納言も、枕草子の中で
「なまめかしきもの。・・・・・柳の萌えいでたるに、青き薄様に書きたる文つけたる」
優美なもの・・・・・柳の芽吹いてきた枝に、青い薄紙に書いた手紙を付けたもの(も、そのひとつ)
なんて、たたえてたりします。
意外と知られていないのが、『柳』と『楊』の違い。
どちらも『やなぎ』と読みます。
『柳』は、シダレヤナギを代表とする、枝が垂れ下がるくヤナギ
『楊』は、ネコヤナギのように、枝が上に伸びていくヤナギ
この『楊』という字は、爪楊枝(つまようじ)に使う字ですね。
お釈迦さまは、弟子たちに『ニーム』と言われる木の枝で、歯の掃除をすることを勧めたそうですよ。
痛そう・・・・・
インドで始まった口腔衛生の知識は、仏教と共に日本に伝わったとか。
日本では、柳の細い枝を歯ブラシのようにして使ったようです。
今のつまようじの原型は、江戸時代になってから・・・
武士は食わねど高楊枝、ってね。
高校生の頃、通学路に柳の並木があって
新芽が出始めたあと、日に日に柳の葉が大きくなる様子を眺めながら通るのが楽しみでした。
だけど、花が咲いてるのは見たことがないなーと思っていたら、花は桜の花の咲く頃なんだそうです。
これ、花?
わかんないはずだわ!
ヤナギは、川や池の周りでよく見かけますが、実はこれって水害防止対策になっているそうです。
しっかりとした根を張り、しかも生育には湿潤を好むことから、水辺にはぴったり。
むかし話の怪談で、幽霊とセットで登場することになってしまっているのは、ちょっと気の毒かも?
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