珊瑚色(さんごいろ)
2024/05/30
珊瑚(さんご)は、古くから宝石としての価値がありました。
仏教において、貴重とされる7つの宝(七宝)にも含まれています。
<七宝とは>
金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)
瑠璃はラピスラズリ、玻璃は水晶、硨磲はシャコ貝とも白色系のサンゴとも言われます。
・・・瑠璃色についてはコチラ
珊瑚は、なんとなく植物のようなイメージを持ってしまいがちですが、実は珊瑚虫という動物なんです。
その中には、褐虫藻(かっちゅうも)という藻類を共生させている仲間もあり、これが成長が早く、サンゴ礁というカタチで群生しています。
宝石になるのは、藻類を共生していない八放珊瑚(はっぽうさんご)というもので、深海に生息しています。
珊瑚は、キレイな水を好み、あまり水温が高くなりすぎると生きていけないという繊細な生き物です。
そのため、生息地域が限られているにも関わらず、古代からギリシャ神話にも出てくるほど、よく知られた宝石でした。
ローマ時代は、護符として愛用された珊瑚が、シルクロードを経て、日本に渡ってきたのは奈良時代。
正倉院の宝物として収められています。
江戸時代、高知県の室戸岬沖で珊瑚漁場が発見され、日本国内でも加工された製品が普及し始めました。
というのは、珊瑚の適度な硬さが職人魂を刺激したようで、なおかつ、日本人の黒髪に赤い珊瑚の髪飾りはとてもよく映えたのでした。
その頃、ローマ時代から珊瑚を愛用していたイタリアでは、乱獲によって、地中海珊瑚が枯渇している状態でした。
イタリア商人たちは、高知で採れる珊瑚に目をつけ、競って買い入れようとして、開国と同時に日本を訪れるようになったとか。
ただ、少しでも取引価格を抑えたい彼らは、自分たちの求めるモモイロサンゴを、赤さの足らない「ボケ」と呼んで、買い叩いたという説があります。
珊瑚は、日本を含むアジア圏では、赤い色が好まれますが、ヨーロッパではピンク色の人気が主流。
特に、透明感のある淡いピンク色のものを『エンジェルスキン』なんてロマンチックな名前で呼ばれるとのことです。
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