銀鼠(ぎんねず)
2024/01/12
今も上品な色合いが人気の銀鼠(ぎんねず)の着物。
江戸時代も、やはり人気の色でした。
江戸時代は、ぜいたく禁止令が出され、庶民が身につけるものに対する制限がかけられました。
柄や色に関してはもちろん、その生地も麻か綿という厳しい決まりがあったのです。
とはいえ、少しでもおしゃれを楽しみたい、他の人とは違ったものを身につけたい、という人々の欲求は抑えがたいものがあったようです。
そういった庶民のささやかな願いに、職人たちは切磋琢磨して腕を磨き、希望に応えます。
庶民たちは、微妙な色の違いを楽しみ、やがてそれは
『四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)』と呼ばれるほどの、多くの色名を生み出すこととなりました。
『ぜいたく』が禁止されているワケですから、当然、金糸・銀糸などはもってのほか。
そこで、古くは『錫色(すずいろ)』と呼ばれた明るい灰色を『銀鼠(ぎんねず)』と名付け、愛でたのでした。
鼠色は、無彩色。
自身を主張しない色だからこそ、他の色とのバリエーションが楽しめます。
シルクの着物であれば尚の事、上品で華やかなイメージを表現できます。
今も人気が高いのは、そういったところに理由があるのでしょうね。
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彩り香
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