乙女色(おとめいろ)
2023/12/19
乙女色って、キュンとくる色名ですね。
何とも可愛らしい名前の響きに負けない、やさしい色。
乙女椿の花の色からつけられた色名です。
乙女椿は、特に花の種類が少ない、冬から春にかけて咲きます。
これも、人の気持ちをほっこりさせることにつながるのかもしれません。
八重咲きの豪華な花なのに、花言葉は『控えめな愛』『控えめな美』といったやさしい印象のものがあります。
椿の花は、古くから日本人に愛され、日本書記にはツバキを天武天皇に献上した記録があります。
江戸時代には、特に2代将軍秀忠はツバキを好んだことがきっかけで、諸大名に『寛永の椿』が流行したとのこと。
椿の花は、ポトッと花ごと落ちてしまうことが、打ち首を連想させるからと、武士には敬遠されたということです。
けれど乙女椿は、花は盛りを過ぎてもなかなか落下しないというところが、彼らにも好まれたのかもしれません。
1830年ごろ、ヨーロッパにおいて『冬のバラ』として日本のツバキのブームが起こりました。
きっかけは、イエズス会の宣教師たちが、椿を伝えたことに始まります。
イエズス会本部のあるパリ王室の温室で栽培されたとか。
その後、それらの花を愛したナポレオンの皇后ジョセフィーヌが、自分の衣装に椿をあしらったというのです。
そこからデュマの小説『椿姫』が生まれ、今も世界中で演じられるオペラ『椿姫』になったということです。
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