柘榴色(ざくろいろ)
2023/08/11
柘榴(ざくろ)は、多くの植物性化合物を含んでいます。
それが、更年期障害の緩和、生理不順や髪・肌のうるおい、骨粗しょう症の予防にも役立つということで『女性の果実』といわれています。
原産地は、イランからインドに広がる地域で、この辺りでは、今も一般的な料理に、よく使用されているとか。
また、実の中にぎっしりとタネが詰まっていることから、子宝や子孫繁栄のシンボルになっています。
日本には、平安時代に中国から渡来しました。
主に、花や実を楽しむ、観賞用として庭に植えられました。
木の樹皮や根皮、果皮などは、下痢止めや虫下しに、薬用として使われたそうです。
そして、別の用途として「鏡を磨く」という使い方がありました。
この時代、鏡といえば『銅鏡(どうきょう)』です。
平安貴族たちの化粧道具として、鏡は必修。
しかし、銅は酸素に触れると、だんだん黒ずんだ錆(緑青)を生じてきます。
柘榴(ざくろ)の中のクエン酸などの成分が、それをきれいにする役割を果たしたようです。
ほら!10円玉をレモン汁でこするとキレイになる原理!
銅鏡は、弥生時代に大陸から伝わって以来、明治時代にガラス製の鏡が普及するまで、日本人の暮らしの中に馴染んでいたものでした。
江戸時代に描かれた浮世絵にも、よく、鏡を使った図があります。
この時代には、鏡の表面を砥石で研ぎ直し、水銀・みょうばん・ざくろなどを使って磨き上げる、『鏡研ぎ』といった仕事もありました。
銅のくすみには、酸が必要なんですね。
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