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撫子色

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撫子色(なでしこいろ)

撫子色(なでしこいろ)

2022/07/01

撫子色(なでしこいろ)

「ナデシコ」は「撫でし子(撫でてかわいがる子)」ということで、万葉集にも子どもや女性に使われることの多い花でした。

撫子色は、周りの愛を一身に受けて、穏やかに幸せに過ごしている人を表現する色として定着してきたのでしょうね。

なでしこ

なでしこ色は花の色、カワラナデシコ(ヤマトナデシコ)の色

「ピンク」といわれているのは、この色です。

英語のpinkは元々は撫子(ナデシコ)のこと。

撫子の花をpink-eye(小さな目)といったことから、その花の色がピンクになったという説があります。

もうひとつの面白い話としては、名もない野の花が、まるでピンキングはさみで切ったようなギザギザの花びらだったので「ピンキングはさみで切った花」が略されてピンクになったという説も・・・。

日本では、毎年、夏から秋にかけて咲くことから、古くは『常夏(とこなつ)』と呼ばれていました。

源氏物語の中にも『常夏』の章があります。

源氏物語『常夏』

愛した人の娘が成長し、その世話をすることになった光源氏でしたが・・・

 

光源氏が、昔、愛した女性の一人である「夕顔(ゆうがお)」が残した一人娘が「玉鬘(たまかずら)」です。
母に似た美しさと都を離れて暮らしたおぼこさが、父としての立場を放棄したくなるほど愛おしい存在でした。
実は彼女は、親友でありライバルの内大臣の実の子だったのです。

その真実をいつ告げようかと悩みながらも、光源氏は、「玉鬘」を自宅の屋敷のひとつに住まわせています。

玉鬘に一目会いたいと、忍び込もうとする公達をシャットアウトするために、彼女の身の回りの世話をするもの以外は訪ねてくる人もありません。

『常夏』では、玉鬘の扱いを、娘と女の間で揺れている光源氏の心中を表すように、彼女の部屋の庭には、「なでしこ」を彩りよく、たくさん植えているという設定になっています。

作者の紫式部は、あまりたくさんの花にせずに、なでしこだけにしたのは、一途な思いを表現したかったのでしょうか?

ピンクの色彩心理の中には「愛されたい」「可愛がられたい」というキーワードがあります。
その心理を表現するのに、最もふさわしい色がこの色です。
もっと、やさしくしてほしい
もっと、甘えさせてほしい
もっと、愛してほしい
幼い女の子が、周りから愛情を注がれることで得られる高揚感を表現する色。
『愛』の色。
この色が好きではない、という人は、自分の中の『甘え』という感情を素直に出すことが、あまり得意ではないのかもしれません。

撫子色はこんな色

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