桂皮は、白檀の次に『知っている香りだ』とおっしゃる方が多いです。
『シナモン』という名で、お菓子やお紅茶に使われていますね。
シナモンは、世界最古のスパイスと言われていて、古代エジプトではミイラの防腐剤としても使われていたようです。
シナモンと桂皮のちがいは、その原料。
→シナモンは、セイロンニッケイのコルク部分を除いたものを筒状になっている
→桂皮は、トウキンニッケイの樹皮を、コルク層を残したまま乾燥させている
桂皮が、日本にやって来たのは、8世紀ごろ。
唐の高僧、鑑真によって仏教の戒律と共に、持ち込まれたものでした。
鑑真という人は、お香や、味噌や納豆、豆腐、医学の知識、建築技術、彫刻技術、書道など、今の日本文化のいしずえとなるものを、多く伝えてくれた人です。
シナモンは、マイルドで繊細な甘みがありますが、桂皮には、濃厚な甘みだけでなく、苦味も感じられます。
それは、桂皮の方が『桂皮アルデヒド』という成分が多いからです。
実は、この『桂皮アルデヒド』というのが、蚊の嫌がる成分なのです。
蚊の飛び交うシーズンに、桂皮を焚いていると蚊が寄り付かないのです。
桂皮は、生薬としても使われています。
・胃腸の働きを整える
・胃腸内にたまったガスの排出を促進する
・発汗、解熱、鎮痛などの効果
身近なところでは、『葛根湯』の成分として、含まれています。
お香として、香りを楽しむだけでなく、たくさんの効用があります。
毎日の生活にお香を取り入れて、豊かな日常を過ごせるといいですね。