白檀(びゃくだん)②
サンダルウッドや白檀が高価なワケ
子どもの頃、母の持つ白檀の扇子でフワリフワリと、あおいでもらうのが大好きでした。
白檀の扇子はご存知の方も多いですね。
白檀は日本では生育できません。
数々の条件が合わないからです。
白檀が貴重で希少な理由の一つとして、この木にはオスの木とメスの木がある、ということがあります。
えー?木なのに?
と思うかもしれませんが、花にオシベとメシベがあるように、木にも雌雄異株(しゆういしゅ)とよばれるものがあり、イチョウやキウイなどもそうです。
なので、両方そろっている場所でないとタネができず、発芽することすら不可能なんです。
その他の大きな要因として、この木が『半寄生植物』だということがあります。
寄生という言葉で創造できるように、自分だけでは生きていけないんです。
発芽してからできる吸根によって、他の木の養分をもらいながら成長します。
そうして3~10mにまで大きくなったものも、原木すべてが「香木」になるわけではないんです。
幹のまんなかの部分や根っこの部分。
ここが後に芳香を放つ部分になります。
伐採され、森林から集積所に集められた白檀は、そこでしばらく寝かされます。
熟成するんですね。
生まれたばかりの白檀が、日本に運ばれ、私たちの手元に届くまでの時間を考えると、50年以上かかっているのです。
安価で手に入るはずがないですね。
私が子どもの頃大好きだった白檀の扇子、今は、もう香りません。
残念なことに、白檀は、光と空気に弱いのです。
「永遠に続くものではなく、循環するもの」
それが自然らしさなのかなと思ったりします。
白檀の芳香成分は、αーサンタロール、βーサンタロール、αービサボロールなどだということがわかってきました。
そのため、昨今、多くのモノに「白檀のかおり」という名がつけられるようになりました。
私が一番驚いたのは、トイレットペーパー。Amazonでも売っています。
もし、気になる方がおられたら、是非、お試しを!