茄子紺(なすこん)
2024/10/31
茄子紺(なすこん)は、江戸時代に広く使われるようになった色名です。
茄子は、江戸時代になり様々な品種が栽培されるようになったことで認知度があがったのかもしれません。
『秋ナスは、嫁に食わすな』なんて、ことわざがありますが、これには二通りの解釈があります。
・こんなに美味しいもの、嫁には食べさせたくない、というイジワル
・カラダを冷やして、子どもができないといけないから、という思いやり
類似したことわざを見ても、嫁姑のチカラ関係から見ても、イジワル説の方が有力だと思うんだけど・・・・。
鎌倉時代の和歌にも、こんなのがあることですし・・・・。
秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚におくとも
(私撰和歌集『夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)』より)
茄子の原産地は、インドとされていて、ビルマから中国へ。
その後、日本に渡ってきたのは、奈良時代とされています。
今では、千両ナスや長茄子、米ナスや加茂ナスなど、その種類は70を超えるとか。
私たちの日常にとっても、欠かせない野菜になっていますね。
茄子の実のつややかな色は、紫みの強い紺色。
この色に染めるには、まず、藍で染めたものに蘇芳で赤をプラスします。
江戸時代は、ぜいたく禁止令により、着るものの色さえ規制された時代。
紫根を使った高価な紫は、当然、使えない・・・・・
だからこそ、いろんな工夫を重ねて、独自の色を楽しんだ庶民の底ヂカラ。
そんな知恵の一つに、この色もあったのだと思うのです。
茄子の皮の色素成分は、ポリフェノールの一種で『ナスニン』と呼ばれるもの。
これには、抗酸化作用があり、動脈硬化予防や老化予防に効果があるとされています。
おまけに茄子は低カロリー。
ダイエットを気にする人にもいい食材ですよね。
----------------------------------------------------------------------
彩り香
〒600-8415
京都府京都市下京区因幡堂町651
電話番号 : 050-1558-3278
----------------------------------------------------------------------