密陀僧(みつだそう)
2024/09/26
密陀僧って、特別な役目をもった僧のことかと思いがちですね。
実は、色の名前なんです。
少し赤みを含んだ黄色い顔料で、原料は鉛(なまり)
鉛を空気にさらしながら、少しずつ熱を加えていくことで、クリーム色から薄い黄色、だんだんと褐色気味に変化していきます。
この薄い黄色あたりを『密陀僧』と呼びます。
さらに過熱を加えると、橙色になっていきますが、これは『鉛丹色』という別の色名になります。
『密陀僧』というのは、もともとはペルシャ語の「mildassa」を音訳したといわれています。
飛鳥時代にトルコ・敦煌などを経て我が国に初めて伝来されました。
750年頃には密陀絵の乾燥剤として、主に工芸技術として使用されていたと伝わっています。
飛鳥時代に作られたといわれる、法隆寺所蔵の『玉虫厨子(たまむしのずし)』など、古くから利用されていたようです。
『密陀僧』は鉛の酸化状態によって色合いが微妙に変化し、薄く灰色に近い色を『銀密陀(ぎんみつだ)』、黄みの濃い色は『金密陀(きんみつだ)』と呼ばれます。
ただ、原料の一酸化鉛というのは、毒性が強く、現在ではあまり使われることはないとのこと。
『密陀絵』というのは、密陀僧を使った、日本の油彩絵画技法の一つです。
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