猩々緋(しょうじょうひ)
2023/12/12
猩々(しょうじょう)というのは、中国古典に出てくる想像上の生き物です。
猿のような顔をしているとされていました。
龍や麒麟と同じように、伝説にしか存在を確認することはできません。
室町時代あたりから、南蛮貿易によって、『羅紗(らしゃ)』が、少しずつ手に入るようになりました。
この羅紗に染められた赤が、あまりに鮮やかで美しいので、その珍しい生き物「猩々」の血で染められたものだ、
ということになったというのです。
もちろん、高級品ですから、誰でもが手にすることはできません。
特別な人だけ・・・。
織田信長が、赤い羅紗(らしゃ)で作った、陣羽織を着ていたとのことです。
アニメなどで、赤いマントを着た信長を見たことがないですか?
これが、猩々緋のイメージです。
JR岐阜駅前の信長像も、11月の信長まつりの際には、赤いマントを着せるそうです。
東京国立博物館の所有する小早川秀秋の陣羽織も、猩々緋の羅紗で作られています。
戦国時代最強と言われた武田軍の『赤揃え』を始めとして、名だたる武将たちが、南蛮渡来の赤い色に魅せられたのです。
赤の甲冑を身につけた武士軍団は、とても強いと怖れられたそうです。
ここには、「赤」に対する色彩心理が働いていたことは、言うまでもありません。
「強さ」「自信」「勇気」・・・
赤を身に付けることで、彼らは、そういう気持ちを持ったことでしょう。
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